海運業について shipping industry

海運業

海運業の会社とは、入港してきた船舶の各種手続きを行う会社、貨物の揚げ下ろしを行う会社、船の着離桟を行う会社、船を運航する会社を主に海運業と言います。その中で、弊社は、船を運航する会社に属し、船員を雇用して所有船舶に配乗し、船舶の運航及び保守管理を行うことが主な仕事です。

運航+保守管理
  • 船の種類

    船の種類は、主に『貨物船』、『タンカー』、『ガス船』、『自動車運搬船』、『客船』です。固形物を運ぶ船を貨物船、液体を運ぶ船をタンカー、気体を運ぶ船をガス船、車を運ぶ船を自動車運搬船、客を運ぶ船を客船といいます。また、タンカーにはガソリン・灯油・軽油等を運ぶ『白油船』と重油・原油・潤滑油を運ぶ『黒油船』、化学液体を運ぶ『ケミカル船』、『アスファルトを運ぶ『アスファルト船』、廃液を運ぶ『廃液運搬船』清水を運ぶ『水船』等があります。

  • 船の運航

    船の運航は、『船舶管理会社』と『運航会社』が行います。船舶管理会社は、船舶が運航できる状態を維持管理する会社で、運航会社は、船舶の運航を管理する会社です。 船舶は、運航会社から指示された港に入港、貨物を積載後、仕向け先港に向けて出港・航海、仕向け先の港で揚荷して出港します。

  • 船員

    船員には、船長、海員、予備船員があります。船長及び船舶に乗り組み船上で働く船員を海員と言い、陸上で休暇中の船員や船舶に乗り組みを待機している船員を予備船員と言います。船長は船内の最高責任者で、海員を指揮監督する責任があります。

  • 海員

    船内で働く海員は、『甲板部』、『機関部』、『事務部』に分かれています。甲板部は、航海士(航海免状取得者)と甲板部員。機関部は、機関士(機関免状取得者)と機関部員。事務部は、無線士と司厨士です。私達は乗船して船上で働いている海員を一般的に乗組員と言っています。

船の仕事

船の職場は「甲板部」・「機関」・「事務部」などに分かれており、それぞれ海技士免状をもった航海士、もしくは機関士とその他部員で構成されます。
甲板員・機関員・事務部などは、 航海士や機関士を補助し、担当ごとにさまざまな仕事を行い、資格や経験が無くても採用されれば、このように部員として働くことができます。

船の仕事
  • 甲板部

    航海士の指示のもと、 航海時や停泊時の見張り(当直) や船の着離桟作業(係船)、 貨物の積み下ろし、 船体・設備・機器の保守、整備点検などを行います。 甲板部は、船長・航海士・甲板長・甲板手・甲板員で構成されており、一等航海士が甲板部員全体の指揮・管理を行います。

    甲板部
  • 機関部

    機関部は、機関長のほか機関士・機関員で構成されています。 機関長の指揮下のもと、それぞれ機関の運転・監視・点検整備を行います。

    機関部
  • 事務部

    事務部は無線士と司厨士に分かれ、無線士は、航海中や停泊中の港湾機関との連絡と無線記録の記載、司厨士(司厨長/司厨員)は主に食事作りを担当します。

    事務部

船員の仕事

船は24時間体制で運航しており、たとえ停泊中であっても日夜、監視が行われます。 通常、12時間を3つの時間区分で4時間ごとに分け、交代で当直を行います。 部員は必ず航海士とペアを組んでこの当直を行います。
船の仕事は、1日を0~4時 (ゼロヨン)、4~8時(ヨンパー)、8~12時(パーゼロ)、12~16時(ゼロヨン)、16~20時 (ヨンパー)、20~24時(パーゼロ)と3交代でメンバーが交代して運航します。荷役も同じように交代制で行うのが普通です。
入港、出航時を入港スタンバイ、出航スタンバイと言い、見張り・綱取り・機器の運転とそれぞれの持ち場について乗組員全員で行います。

船員の仕事

荷役作業

積荷役

  • 目的地の桟橋に着いたら、 船首および船尾に配置された甲板員が係船用のロープを繰り出し 船を桟橋に係船します。 ロープ回りの事故は重大な事故に繋がりますので細心の注意が必要です。
  • 船が着桟したら、荷役前に陸上の担当者と荷役時の注意事項などについてミーティングを行います。 ミーティングが終わったら、 陸上にあるパイプ (ローディングアームという)を本船の接続口 (マニホールドという)に繋ぎます。
  • アームを繋いだら次に、 デッキ (甲板)にあるバルブ (弁) を開けていきます。 あとは交代で荷役中異常がないかを監視します。 機関部の人は発電機などの機関に異常がないかをみます。
  • 荷役にかかる時間は、積荷油の種類や製油所によっても違い、短いところだと4時間、長いところだと14時間ほどかかるところもあります。
  • 無事荷役が終わったら、代理店との最終的な数量チェックを終え、無事出港となります。

揚荷役

  • ミーティングなど積み荷役とほとんど同じですが、積んでいる油のサンプル検査やタンク内に水が入っていないかなどの検査をします。 異常がなければアームを繋ぎ荷役開始です。
  • ここでも揚げているタンクの油面の高さがレベルゲージというものに表示されているので、 ちゃんと油面が降下しているか確認し、他のタンクに異常がないかを監視します。
  • 無事すべての油種を揚げきったら出港です。

出港後の作業

  • ガスフリー

    ガソリン系統を積んだタンクには可燃性のガスが充満しているので、 ガスフリーという換気作業を行います。 以上で揚げ荷役時の作業を終えて、 ワッチの人は航海当直に入ります。

  • 保守・整備作業

    荷役が無い日は、沖で停泊して船の整備作業 (ペンキ塗り等) を行うか、 また岸壁に係船(仮 バースという)して休みとなり、上陸して買い物などの自由時間が作れます。 以上が、 タンカーマンの一連の作業内容です。

休暇

乗組員にとって一番楽しみなのが休暇です。弊社の場合、3ヵ月以内に約25日休暇が与えられます。乗組員の中には、この休暇を利用して旅行等を計画する人もいます。

休暇
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